「は~寒かった」
四季織家に設置されているこたつを捲り、その中に足を入れる。
「ご苦労様」
乙が蜜柑を手渡す。
「ありがと、下の方さぁ、暖房入ってねぇだろ だから寒いのなんのって」
今日はカフェの定休日だ。
だから暖房が入れられておらず、
俺は冷え切った室内に、蜜柑の箱を置き去りにしたのだ。

「乙ぉ~あっ、ためてぇ~」
甘えた声で乙の腕をぎゅっと握り締める。
「寒いなら上着、着なよ」
「やだぁ♥ 人肌がいいのぉ~」
男の力で彼を押し倒す。
不意を突かれたのか、力の入ってない体はすんなりと床に着いた。
「乙くんの体ぁ、とっても~素敵」
冷えた手で服の中に手を突っ込む。
まさぐられている乙は悲鳴にも似た歓喜の声を上げる。
「やめろって」
「もっとして欲しいって? もぅ、乙くんってば大胆」
乙に覆いかぶさる様に横になり、足で彼の足をホールドし
「乙くん 好き~♥︎」
「気持ち悪い」
「乙女の告白を気持ち悪いですって~! ま~酷い」
「春輝は乙女じゃないだろ?」

「…嶺子からの告白なら、なんて答えるんだろうな」
「……ま、まだ、わからない、よ…」
「ふ~ん いい事だ 」
乙もどこか変わりつつあるのかもしれない。

「あー、愛しい、愛しい乙くんがこんな顔するなんて
私、嫉妬で狂っちゃいそう~! 今日は激しく抱いて」

抱いてと言った瞬間、秋羽が戸を開ける。
「ふーん、春輝は乙に抱かれたいの?」
外の冷気の如く冷たい視線が突き刺さる。
「違うわ! そんな趣味あるわけないだろ」
「説得力の欠ける体制だけどね」
「起き上がるから、春輝避けて」
「はいはい」
避けた俺を秋羽は抱きしめる。


「私が抱いてあげるわ」
彼女もまた、冷たい指先で体を弄り倒す。
喘ぎ声が漏れ出す前に乙に助けを求める。
だが、無情にも蜜柑食べるので忙しいからと手を振られる。

 

悪い事はしちゃいけないなと、思う冬だった。

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